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治療費とは

損害賠償額を計算

事故によるケガを治すための入通院治療費については、赤い本によれば
「必要かつ相当な実費全額」
が損害として認められます。

鍼灸、マッサージ費用等については、
「症状により有効かつ相当な場合、ことに医師の指示がある場合などは認められる傾向にある」
とされます。

よく問題になるのは、いわゆる頸椎捻挫(むちうち)の被害に遭われた方が、整骨院(接骨院)に通院する費用が認められるか否か、という点です。
これについては別項(頸椎捻挫における整骨院施術費用)でご紹介していますが、仮に医師の指示がなくても、症状緩和に効果があれば認められることが多いです。
ただし、整骨院では「後遺障害診断書」等が書けませんので、後遺障害の残るような重症では、病院、医院にも通院しておくことが望ましいでしょう。

当事務所は、整骨院通院の必要性、相当性が争われた案件も多数経験しておりますので、お気軽にご相談ください。

治療費の単価について

治療費の単価については、健康保険の「保険点数」というものが定められており、この点数に対応して「1点○○円」といった基準が設定されています。

例えば、頸椎捻挫に対する「消炎鎮痛処置」をしたことによる点数は「35点」と定められています。

健康保険では「1点10円」で計算するので、消炎鎮痛処置の費用は350円となります。
労災保険では、「1点12円」で計算するので、420円です。
健康保険や労災保険を使わない「自由診療」の場合、点数単価は自由に定められるのですが、基本的には「日医基準」というものを採用する医療機関が多いようです。
日医基準では、点数単価は原則として「1点12円」ただし技術料については20%を加算することになっているので、35点×12円×120%=504円となります。

このように、点数単価にはいろいろな基準がありますが、日医基準の「1点12円×120%」くらいであれば、加害者側保険会社も「相当性の範囲内である」と認め、争ってくることはないでしょう。

これが、例えば、「1点25円以上」といった高額の基準で請求された場合、保険会社側も「治療費が高すぎて相当性の範囲を超えている」と主張して争ってくる可能性が高いでしょう。

治療が認められる期間

治療として認められる期間

治療の必要性、相当性が認められるのは、原則として
「事故発生から症状固定までの期間」
とされています。
「症状固定」とは、「これ以上治療しても効果が見込めない状態」のことで、基本的には主治医の先生のご判断により決定することになります。
「症状固定」以後は、症状の改善は見込めないということになるので、原則として治療の必要性はないものとされます。

治療期間については、保険会社が、被害者の治療途中に「もう来月分以降の治療費は払いません」などと宣告してくる「治療費打ち切り」が問題になります。
これについては、別項(保険会社による治療費打ち切り問題)でもご紹介しておりますが、主治医の先生が治療の必要性ありと認めて下さるのであれば、十分に対処の方法はあります。

当事務所では、治療期間に争いのある案件も多数取り扱っておりますので、お気軽にご相談ください。

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