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遺言がある場合遺言がある場合

遺言に従った遺産分け

故人の遺言があることが判明した場合、遺言に従った遺産分けが行われます。
遺言が「自筆証書遺言」であった場合には、いったんこれを裁判所に持って行って、裁判官に内容を確認してもらう「検認」という手続きをやります。
その上で、遺言に「相続させる」とか「遺贈する」などと書いてある財産の移転を実行します。
遺言が「公正証書遺言」であった場合には、「検認」の手続きをしなくても、故人の死亡によって直ちに遺言内容の実現が可能となります。

遺言の真正さの問題

ところで、仮に故人の「自筆証書遺言」が見つかったとして、それが果たして本当に故人の書いたものであるのか、という問題があります。
一部は故人ご本人が書いたものでも、他の部分について第三者の付け足し等が加わっているかも知れません。
また、仮に全部をご本人が書いているとして、その書いた時期には、ご本人は既に認知症で判断が出来なかったのではないか、という場合もあります。
そのように、遺言が真に有効なものであるか疑わしい場合には、弁護士へのご相談をご検討下さい。

最低限の「遺留分」が侵害されている場合

また、仮に故人ご本人が作成した有効な遺言書であっても、相続人の最低限保証されている取り分、すなわち「遺留分」を侵害しているのではないか、という問題があります。
例えば、相続人が故人の子ども2名(長男と次男)である場合、長男と次男はそれぞれ「遺産の4分の1」の「遺留分」を保証されており、その「遺留分」は遺言によっても削減することはできないのです。

それにもかかわらず、故人の遺言書に「全財産を長男に相続させる」と書いてある場合、次男は長男に対して「最低限の取り分である4分の1だけは渡してもらいたい」と請求することが出来ます。
これを「遺留分減殺請求」といいます。

この権利を行使するためには、故人が死亡して遺言の内容が判明してから1年以内に「請求」しなければなりません。
「請求」の方法については、内容証明郵便等を使って証拠が残る形でやる必要がありますので、詳しいことは弁護士にご相談いただいた方が良いでしょう。

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