事実です。
特に、人身事故の場合には、弁護士依頼によって1.5倍以上に増額できる場合が少なくありません。
というのも、加害者側保険会社の被害者本人に対する「示談金の提示」は、本来支払うべき正しい金額(=裁判所基準による金額)の、「6割前後」である場合が多いからです。
東京地方裁判所交通部の部総括判事である河邉義則裁判官(※1)は、弁護士向けの講演の中で次のように仰っています。
「(保険会社から被害者に対し)提示される示談金の水準は、赤い本による裁判基準と比べますと、多くの事案において、その6割前後であり、被害者側に弁護士の代理人がついて交渉をするケースで7割から8割くらい、マックスで8割5分くらいというのが、率直な印象です。」(※2)
保険会社は、素人である被害者本人には「6割前後」で提示し、被害者に弁護士がついてもせいぜい「8割5分」しか提示しないというのですから、実にひどい話です。
このように、保険会社と交渉してもまともな対応は期待できませんので、被害者が「10割」の正しい賠償金を獲得するためには、訴訟提起などの強硬な手段を検討するべきなのです。
なお、人身事故であっても、下記のようなケースでは、例外的に、保険会社の「示談金の提案」が適正金額であることがあります。
あなたの事件について、保険会社が提示してきた「示談金の提示」が不当なのか、適正なのかについては、交通事故に詳しい弁護士にご相談下さい。
とても重要なご指摘なので、同書40頁以下の河邉裁判官のご発言を、より詳しく引用させていただきます(括弧内の文字は小倉駅前法律事務所の弁護士)。
「任意保険会社の示談基準は、現行のような水準でよいものでしょうか。ある雑誌には、日本の損害保険会社は、欧米諸国の損害保険会社に比べて、支払った保険金の割合(損害率)が低く、契約者がその「払い渋り」について根強い不信感を持っていると書かれておりました。民事27部の裁判官の中にも、利益第一という保険会社の企業体質を問題視する者が少なくありません。
若干の例を挙げて、お話をしたいと思います。まず、裁判基準との格差が目立つのが死亡慰謝料の金額です。最近私が扱った事例では、赤い本の旧基準ですと2000万円となるべき独身男子の死亡慰謝料について、950万円という提示の例がありました」
~(中略)~
「(保険会社から被害者に対し)提示される示談金の水準は、赤い本による裁判基準と比べますと、多くの事案において、その6割前後であり、被害者側に弁護士の代理人がついて交渉をするケースで7割から8割くらい、マックスで8割5分くらいというのが、率直な印象です。「腹八分目」に達しているケースは、残念ながら、ほとんどありません。」
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