交通事故の発生には様々な原因があり、必ずしも加害者が一方的に悪いとは限りません。
被害者にも事故発生について責任がある場合には「過失割合」が問題になります。
「過失割合」とは、事故におけるお互いの過失(不注意)の程度を割合で示したものです。
交通事故の「過失割合」については、裁判所が多数の事件を処理する中で、ある程度の「相場」ができ上がっています。
このような裁判所の基準が、「別冊判例タイムズ16号」(※)という本にまとめられており、過失割合についての「バイブル」として機能しているのです。
例えば「バイクが道路外から公道に進入したところ、公道を直進してきた自動車に衝突された。」
という事例を考えてみましょう。
「バイクが道路外から進入、4輪車は道路を直進」で衝突した場合の過失割合は、「別冊判例タイムズ16号(全訂4版)」242頁の【170】図によれば、
バイク 70パーセント : 自動車 30パーセント
が基本となっています。
バイク側が道路外から入って来ているので、過失が重く設定されているのですね。
この割合を基本にして、様々な修正要素を考慮して、最終的な割合を決定します。
例えば、「自動車に時速15キロ以上のスピード違反があった」場合は、自動車の過失が10パーセントプラスされるので。
バイク 60パーセント : 自動車 40パーセントとなります。
このように、多くの交通事故の過失割合は、「別冊判例タイムズ16号」の指針に沿って判断することができます。
もっとも、「別冊判例タイムズ16号」に載っていないような非定型的な事故もありますので、その場合には個別の判断が必要となります。
いずれにしても、一般の方による独自判断は危険ですので、交通事故のプロである弁護士にご相談下さい。
※ 東京地裁民事交通訴訟研究会編「別冊判例タイムズ16号 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準(全訂4版)」(判例タイムズ社 平成16年)
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